この日、到着だと思ってた。
思ってたんだよねぇ、、、
だってさ、屯渓から成都まで、
バスで12時間って言ってたじゃん。
電車だし、もっと、かかるにしても、
着くだろ、、、
着く、、、
同じ席になったユーユェって青年と、
リーリェアっていい感じの娘さんと、
ひたすら、筆談で話して、、、
中国語、ちょっとしゃべれるようになって、
逆に今度は日本語教えてたりして。
結構、時間が過ぎんのは早かったんだけど、
いったいいつ着くんだろう、、、
ユーユェに何時に着くの？って聞いたら、
明日の朝だって、、、
ええええええ？？？
あぁ、成都に12時間なんて、、、
完全に騙されてたんだな、オレ。
さてさて、、、
道中、やっぱり長い。
中国人だって、
日本と中国は仲が悪いって認識はしている。
でね、だからか、
ワタクシが日本人だと判ったときに、
絶対、嫌な顔するヤツはちょびっといる。
で、暇だからだろうな。
凄んだ大柄の男がいきなり目の前に座り、
オレのノートに、
日本人は戦争についてどう思っているのか？
って、書きなぐってきた。
ユーユェが不安そうな目でオレを見てる。
あぁ、これは、
真剣に返さなくてはいけないヤツだ。
うーん、、、
オレは日本人だし、今の日本が好きだし、
歴史的見解は、日本人としての価値観を持っている。
たとえば、南京大虐殺についての見解の相違、
靖国神社、旭日旗、、、
上げればキリがないけど、
日中の主張を見たうえで、
やっぱり、自国が正しいと思っている。
けどね、どっちが正しいとか、
それって、そんなに重要なことじゃない気がした。
つーか、終わった戦争そのものに対して、
あーだこーだ、言ったってさ。
そりゃー、血が流れていることは事実なんだし。
お互いに譲れないポイントがあるんだとしたら、
そこをすり合わせること自体、無意味だと思った。
大切なのは、
今、これからだと思う。
だから、
戦争は昔に起きたこと。
今必要なのは、昔を振り返ることじゃない。
日本も中国もこんなに近い国なんだから、
もっと、友達になるべきだ。
今、ここにいる人と、自分は友達になりたい。
お互いを理解できれば、どんな人たちか判れば、
友達になれるはずだ。
、、、
ちゃんと、伝えられたかは分からない。
実際は、中国語風に漢字を並べて、
判らないところは、スマホの翻訳ツールで調べて。
ともかく一生懸命説明した。
ってゆーか、本心だしね。
この旅で出会った中国人たち。
想像よりもずっとみんないい奴だったし、
陽気で好奇心旺盛で、
確かに、我先に、自分中心な面は少しあるけど、さ。
まぁー、声はデカいけども、さｗ
オレは、この列車に乗って、
かなり救われたところあったし、
やっぱり、みんな、いいヤツだから、
仲良くなっれたのは判る。
みんな人好きな感じだと思う。
ともかく、伝えたかった。
ってゆーか、もっと、日中は仲良くなっていいと思う。
政治的な部分は難しいかもしれないけど、
人と人の部分だけでも。
会ったことのない中国人に対して漠然と抱いてた不信感。
それは、中国人から見た日本人に対してもあるみたいだ。
そんなの、なんか、なーんか、
フツーに話せば面白いのに
、、、もったいないじゃん！！！
って、
そしたらね、目の前のにらんでた男は、
急に、ニヤーってｗ
伝わった！！！
よかったー！！！
それからは、
どうしたら日中はもっと仲良くできるかから始まり、
気付いたらほとんど、下ネタの話ばっかりしてた。
ってゆーか、結構、盛り上がったｗ
それに、ふたを開けてみたら、
怒った顔してたときはすごい年上と思ってたけど、
たった2つ、相手が上なだけ。
同世代ってわかってからは、
なんか、本当に馬鹿話ばっかりしてた。
こういう、ピーキーなのも中国だなぁ、でもよかった。
なにより、ユーユェが本当にほっとした顔してた。
心配してくれてたんだなぁ～
ユーユェは本当に仲良くなって、
なんか、いろいろごちそうしてくれた。
最初は断ってたけど、
流石にホントにお腹だってすいてくるし、
甘えることにした。
断ると、すごい心配そうな顔してたし、
かえって気を遣わせてしまってたのかもしれない。
結局、なんだかんだ、卵にお菓子、
カップラーメンまでごちそうしてもらった。
向かいの陽気なおっちゃんも、
ヒマワリの種くれたりして。
みんな決まって、ありがとうっていうと、
ありがとうじゃない、そんな言葉すら要らない。
みたいなこと言ってくれた。
オレがしたくてしてるのに、お礼なんか言わないでくれ、、、
みたいな感じだと思う。
そういう文化なのかな？
でも、やっぱりお礼言っちゃうよ。日本人だもん。
ちょっと、困ったような嬉しいような、
微妙な顔されたのを覚えてる。
そーそー！
中国人とヒマワリの種。
こっれは切っても切り離せないらしい。
いや、ベトナム人とかが食ってるのも見たことあるから、
アジア圏はみんな食べるのかもだけどさ。
ヒマワリの種の中身を食うスピードが半端ない！！
割る手さばきもさることながら、
舌を使って中身を出すらしい。みんな簡単にやってる。
教えてもらったけど、ぜんぜん、出来なかった、、、
そしたら、見かねて、リーリェアが、
手で20個分くらい、さっさっさーって割って、
中身だけ出してくれた。
貰いっぱなしってわけにもいかないので、
オレも、買ってきたお菓子をみんなに振舞った。
って、、、
なんか、全然人気なかった。
どうやら安いだけあって、不人気商品だったみたいだ。
気付いたら、また夜が来てた。
その夜、リーリェアが、
結構、遅めの時間に着いた駅で降りて行った。
実家に帰るのだそうだ。
ずっと、
中国人に囲まれて中国語の会話のみだったからか、
一生懸命教わっているうちに、
なんだかちょっとだけ、
中国語が理解できるようになった気がする。
うーん、、、
適応能力かぁ、、、
人間って、、、
すげぇんだなぁ～